冠詞

イタリア語 冠詞 名詞の前にある定冠詞と不定冠詞の違いは?

こんにちは。住めば都@italiano la sfidaです。

イタリア語の冠詞は、単体で使わない。常に名詞の前にあり、それらは、いくつかの重要な機能を持っている。男性名詞と女性名詞とそれぞれ単数形と複数形があり、定冠詞と不定冠詞の使い分けがあり、さらに母音と子音で形式が違う。どう使えばよいか迷ったことないですか?

イタリア語の定冠詞と不定冠詞の基本

イタリア語の定冠詞は、人、動物、もしくは確実なこと、話し手や聞き手で認知していることに使う。

例えば

In cortile c’è il cane. (中庭に犬がいる)

Il caneは、よく知っている犬のことで、il mio cane (私の犬)、il tuo cane (君の犬)、il suo (彼の)…と、ここでいうil caneは、もうすでに話している、とにかくすでに知っている犬のこと。

イタリア語の不定冠詞は、人、動物、もしくは不確実なこと、あるいは一般的なこと、話し手や聞き手で認知していないことを示す。

例文

In cortile c’è un cane.

Un caneは、知らない犬のことで、ここでいうun caneは、一度も見たことない、もしくは、まだ話したことがない、ありふれた犬のこと。

イタリア語の定冠詞と不定冠詞の形式

男性名詞と女性名詞と単数形と複数形さらに母音と子音で形式が違う

冠詞定冠詞不定冠詞名詞の一番前の音
単数形複数形単数形のみ
男性形iliun子音
男性形logliunoz, s + 子音, x, y, ps, gn, pn
男性形l’gliun母音
女性形laleuna子音
女性形l’leun’母音

※スマホ、タブレットで閲覧の方は、上の表組部分を指で横に動かすと表示します。

男性名詞の定冠詞の場合、単数形il, loと複数形i, gli2つのタイプがある

例えば、

il treno → i treni

lo spettacolo → gli spettacoli

通常、子音から始まる男性名詞の定冠詞は、単数形はil, 複数形はi

それ以外では、z, s + 子音, x, y, ps, gn, pnで始まる男性名詞の定冠詞は、単数形はlo, 複数形はgli

例えば

s + 子音: lo studente, gli studenti, lo sport, gli sport

z: lo zaino, gli zaini

ps: lo psicologo, gli psicologi

y: lo yogurt, gli yogurt

母音から始まる男性名詞の場合は、単数形lo → l’ 複数形gli

lo amico → lo amico → lamico, gli amici

l’italiano, gli italiani

母音で始まる男性名詞の場合は、定冠詞「lo」のoを消してアポストロフィをつける。

女性名詞の定冠詞は、単数形はla, 複数形はle

la donna, le donne

la persone, le personi

la ragazza, le ragazze

母音で始まる女性名詞の場合は、単数形la → l’ 複数形le

la amica → la amica → lamica, le amiche

l’italiana, le italiane

l’ora, le ore

母音で始まる女性名詞の場合は、定冠詞「la」のaを消してアポストロフィをつける。

男性名詞の不定冠詞は、un, uno

多くの男性名詞は不定冠詞unを使う

un suono, un amico, un albergo

不定冠詞unoを使う場合は、z, s + 子音, x, y, ps, gn, pnで始まる男性名詞です。

例えば

s + 子音: uno  studente, uno sport

z: uno zaino

ps: uno psicologo

y: uno yogurt

女性名詞の不定冠詞は、una

una madre, una pensione

母音で始まる女性名詞の不定冠詞は、un’

una italiana → una italiana → unitaliana

un’ora

母音で始まる女性名詞の場合は、不定冠詞「una」のaを消してアポストロフィをつける。

イタリア語の定冠詞と不定冠詞の使い方

定冠詞と不定冠詞の使い方は、様々なことを示します。

定冠詞は、唯一のものや既に話したあることを示して使う

人や唯一のもの

La luna è gialla. (月は、黄色いです。)

月は唯一のもので、女性名詞だから定冠詞 La

Il papa vive a Roma. (ローマ法王は、ローマに住んでいる。)

Il papaといえば、法王のこと

種類やカテゴリーが完全なもの

Il leone vive in Africa. (ライオンは、アフリカに生存する。)

I soldati portano la divisa. (兵士たちは、制服を着ている。)

人や動物、あることを先に話した時に使う

Sono andato a una festa di compleanno; la festa è stata molto divertente perché c’erano tutti i miei amici. (私は、ある誕生日パーティーに行きました。パーティーはとても楽しかった。なぜって、私の友達がたくさんいたからね。)

先にuna festaと不定冠詞を使うけど、もうすでに話したから次はla festaと定冠詞となる。

時々、形容詞の代用で使うこともある

指示形容詞として

Entro la primavera prenderò la patente. (= entro questa primavera) (今春内に免許を取るつもりです。)

不定形容詞として

Il sabato sera vado in discoteca. (= ogni sabato sera) (毎週土曜の夜に私はディスコに行きます。)

併せてご確認ください。

il lunedì = tutti i lunedì = ogni lunedì

il sabato = tutti i sabati = ogni sabato

la domenica = tutte le domeniche = ogni domenica

lunedì  = questo lunedì (un lunedì, non tutti i lunedì)

la mattina = ogni mattina = tutte le mattina

il pomeriggio = ogni pomeriggio = tutti i pomeriggio

la sera = ogni sera = tutte le sera

la notte = ogni notte = tutte le notti

追記:土曜日と日曜日は複数形があり、月曜日~金曜日は無変化なので、気を付けよう

定冠詞がつかない曜日については、毎週ではなく、その時点の曜日になるよ

不定冠詞は、ありふれたものや、あやふやにしたいときに使う

人や動物、ありふれたもの

Prendi una matita e scrivi. (ペンを利用して書いてください。)

Andiamo in un bar. (バーに行こう。)

una matitaやun barは、ここでは、ありふれたものを指している。

人や動物、明確にしたくないこと

Mi ha telefonato un amico. (ある友達が私に電話をした。=友達から電話があった。)

Ho comprato un libro di fantascienza. (私は、あるサイエンスフィクションの本を買った。)

un amicoやun libroは、ここでは、明確にしたくない、もしくは特定のものでないことを示している。

人や動物、あることを初めて話題にするときに使う

Sono andato a una festa di compleanno; la festa è stata molto divertente perché c’erano tutti i miei amici. (私は、ある誕生日パーティーに行きました。パーティーはとても楽しかった。なぜって、私の友達がたくさんいたからね。)

定冠詞の項目で触れたけど、まだ話題にしていないときは先にuna festaと不定冠詞を使い、もうすでに話したから次はla festaと定冠詞を使う。

In corso Marconi c’è una scuola; è la scuola dove Piero ha fatto le elementari. (マルコーニ通りに学校がある。ピエロが小学校に通った学校です。)

もう理解できたかな!?

最後に

定冠詞と不定冠詞の違いについて、まとめると

定冠詞の場合は、確実なこと、すでに話題にして話し手と聞き手で認知していること、また、形容詞の代用として使います。

不定冠詞は、不確実なこと、ありふれたこと、一般的なこと、話し手と聞き手で認知していないことを示すときに使います。

次回は、前置詞DIと結合した部分冠詞(分格冠詞)の基本的な使い方と、順を追って定冠詞の特別な使い方についても説明します。

Foto di Mahesh Patel da Pixabay

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